ワインの小話⑥ローヌ地方のワインについて

皆様

こんにちは

いつもブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。

今日も普段のワインがちょっとおいしくなるような小話?をご紹介させていただきます。

よろしければご参考になさってください。

 

本日はローヌ地方です。

一般的にはCotes du Rhone(コート・デュ・ローヌ)とも言われています。

この地域はその恵まれたテロワールによって、ボルドーのトップシャトーにも劣らない優良なワインが数多く生み出される地域です。



中でも「コート・ロティ」はフランス最古のブドウ畑と言われています。(わたしもびっくりしました!?)

この「コート・ロティ」を中心とした北緯45度より北の地域を「北ローヌ」と表現したりします。

また、北緯45度より以南は「南ローヌ」と言われたりします。

一般的に(とくにフランスでは)ワイン用ブドウは北緯45度を目安に、栽培されるブドウ品種が大きく変わってくる傾向があります。

つまり北緯45度より北の地域は少し冷涼な気候になってくるので、収穫可能な品種が限られてくる(当然テロワールによって変わってくるので一概には言えませんがあくまでイメージです)ということですね。

そうすると、当然北緯45度以南は比較的温暖な気候となるため、栽培可能なブドウ品種が一気に増えます。

なので、コート・デュ・ローヌを見ていくうえでは、「北ローヌ」と「南ローヌ」に分けて見ていくと分かりやすいんです。

※ちなみに、比較的「北ローヌ」のほうが高級ワインが生産されています。

 

北ローヌ(Septentrional)

ブルゴーニュのボジョレー地区の最南地域、ヴィエンヌからアヴィニヨンまでの、ローヌ川両岸の南北約200㎞の地域になります。

(ボジョレーはブルゴーニュ地方なのです・・・。)

 

多くのAOCがローヌ川の右岸に集中しています。(一部左岸にもあります。)

実はこれには理由がありまして、先ほどご紹介したように北緯45度を境に冷涼な環境になってきます。

つまり、ブドウが熟しにくい環境ということです。

そのため、それを補うためには多くの日照量が必要になってきます。

ローヌ川右岸は非常に急勾配の斜面になっていまして、そこにブドウの畑が続いていきます。(きっとローヌ川が地形を削ったんでしょう)

つまり「東側向きの斜面」にブドウ畑がある、ということです。

より多くの日照量を確保できる東向き斜面だからこそ、比較的冷涼な環境でも優良なブドウが多く収穫できるというわけです。

※言い換えると、急こう配の斜面でブドウ栽培をしなければならないため、ブドウ農家の方々の苦労と言ったら・・・。想像できますね。



こんななんです・・・!!(ちなみにコート・ロティです)

 

ミストラル

この地方特有のミストラルという冷たい北風が吹くことによって、雨に濡れた畑を一気に乾燥させてくれるので、ブドウの凝縮感が増すともいわれています。

※ちなみに、南ローヌでも吹きます。

 

黒ブドウと白ブドウの混醸

また、北ローヌでは醸造の段階で黒ブドウと白ブドウのを混ぜて醸造する文化があります(全てのAOCではありませんよ!)

これは決してブレンドではありません。なぜならEUの法律では、赤ワインと白ワインを混ぜることは禁止されているのです。

つまりは醸造するブドウの段階で混ぜていくということです。なので「混醸」なのです。

これをする意味は「緩和」という言葉がしっくりくると思います。

例えば、北ローヌの重要なAOCにコート・ロティがあります。このAOCは黒ブドウのシラーが主体なのですが、法律で20%まで「ヴィオニエ」という白ブドウを混醸していいと認められています。

これはシラー単一のワインだと、そのブドウの持つ特色が強すぎる場合があります(各年によって違いがあります)

それを「ヴィオニエ」という白ブドウを混ぜることにより、それを「緩和」させるのです。

これによって味わいに複雑さが生まれ、絶妙なバランスの赤ワインに仕上がります。

※ここで注意なのは「20%を必ず混ぜなければならないわけではなく、20%までは混ぜてもいい」ということです。

各生産者が、その年々の状況を見極めて混醸していきます。

ある年ではヴィオニエを10%にすることおあれば、15%にすることもあるいということです。

この微妙な調整が作り手の個性になり、ワインの個性となるのです!

 

主要ブドウ品種

黒ブドウ:シラー(別名セリーヌ)



白ブドウ:ヴィオニエ・ルーサンヌ・マルサンヌ

※ルーサンヌとマルサンヌはコンビのように大体セットで出てきます。

(北ローヌは冷涼な気候の為、品種もぐっと少ないですね。)

 

ローヌ川右岸の主要AOC

ローヌ川の右岸(東向きの斜面)に集中をしていますが、一部左岸にも重要なAOCがあります。

まずは右岸を北から見ていきたいと思います。

 

・Côte-Rôtie(コート・ロティ)

非常に優良な赤ワインの産地で、20%までヴィオニエという白ブドウを混ぜてもOKという法律になっております。

※混ぜなくてもいいんですよ!

 

・Condrieu(コンドリュー)

白ブドウのヴィオニエを100%使った白ワインが有名なAOC

 

・Chàteau-Grillet(シャトー・グリエ)

コンドリューの中の1区画のみのAOC。

こちらもヴィオニエ100%です。

1軒の生産者のみの非常に珍しいAOCで、コンドリューの中でも際立った個性と、優良なブドウが採れることから独立したAOCになりました。(ちなみにシャトーグリエという生産者の名前がそのままAOC名になった珍しいケースです)

※ヴィオニエという品種はコンドリューとシャトー・グリエで終わりです。ここより以南では見かけません)

 

・Saint-Joseph(サン・ジョゼフ)

ここは、赤ワインと白ワインの生産が認められているAOCになります。

赤ワインはシラーが主体で造られます。

白ワインはここからルーサンヌとマルサンヌが登場してきます。

※ここで一つ豆知識を・・・。

実はコンドリューとサン・ジョゼフの間には畑があるのですが、この畑は「コンドリューとサン・ジョゼフ」というんです。

「???」と感じられると思うのですが、そのままの意味の畑でして、コンドリューとサン・ジョゼフの間のエリアで「ヴィオニエで白ワインを造ったらコンドリューと名乗れる」ということです。

逆もまた然りで、同エリアで「ルーサンヌとマルサンヌで白ワインを造ったらサン・ジョゼフと名乗ることができる」ということなのです。

 

・Cornas(コルナス)

シラー100%の赤ワインのAOCです。

コート・デュ・ローヌ地方でシラー100%の赤ワインが飲みたい!と思ったら、迷わずコルナスを飲んでいただければOKです。

 

・Saint-Peray(サン・ペレイ)

ルーサンヌとマルサンヌを使って、白ワインと発泡性白ワインを造っています。

サン・ペレイの発泡性白ワインは「シャンパーニュ方式」といって瓶内二次発酵から造られるきめの細かな泡が魅力です。

※ここでまたもや豆知識をば・・・。

このサン・ペレイには日本人醸造家がいます!(大岡 弘武さん)

現在彼が所有するワイナリーがサン・ペレイにあり、そこで造られたワインを「ル・カノン」といいます。(私も知りませんでした!)

 

ここまでが右岸です。

 



 

ローヌ川左岸の主要AOC

さて、先にご紹介させていただいた通りに、北ローヌでは川の左岸では日照が右岸に比べて確保しにくい環境にあります。

そのため、主要なAOCは非常に少ないです。

というか、めぼしいものは2つしかありません。

しかし!!

この2つがとてもいいワインを生み出すのです。

「左岸は日照が不足気味なのになぜ・・・?」

いい質問です!!

上の写真をご覧ください。

ローヌ川が大きくカーブしているのが分かりますでしょうか?

ここは小高い丘になっているのです。(有名なエルミタージュの丘です)

つまり「南向きの斜面がある」ということなのです。

 

・Eermitage(エルミタージュ)

上記でご紹介したエルミタージュの丘の南向き斜面を中心に、丘をぐるっと囲むような形で畑が広がっています。

ここは赤ワインと白ワインを生産しています。

赤ワインはシラーが主体ですが、15%まで白ブドウのルーサンヌ・マルサンヌを混ぜてもOKです。

白ワインはルーサンヌ・マルサンヌです。

※ここでも豆知識を一つ

ここエルミタージュでは「Vin de paill](ヴァン ド パイユ)という少し特殊なワインが少量ですが造られています。

パイユ=藁という意味になりますので、直訳すると「藁ワイン」となるでしょうか。

藁の上にブドウを保管してブドウを乾燥させます(藁って風通しが良くて湿気を取ってくれるんです)

少しドライフルーツのような状態にしてブドウの成分を凝縮させます。

そのブドウを使って、極上の甘口ワインが造られるんです。

(現在は藁を使わない場合も増えてきましたが・・・)

このヴァン ド パイユはフランスの「ジュラ地方」以外ではここエルミタージュのみで生産されています(詳しくはジュラ地方の回で)

 

・Crozes-Hermitage(クローズ エルミタージュ)

名前にある「クローズ」は”交差”、あるいは”交差点”を意味するラテン語の”crucem”からきています。

つまりエルミタージュの丘と交差するようにぐるっとブドウ畑が存在しています。



クローズ・エルミタージュも赤ワインと白ワインが造られ、ニュアンスもエルミタージュにとってもよく似ています。

ただ、地理的条件や生産量が少ないこともあり、エルミタージュの方が高級なワインが多いです。

 

因みに、ローヌ川沿いではありませんが、小規模ながらいくつかのAOCが北ローヌにはございます。

興味をお持ちの方は少しお調べいただいても面白いかもしれません。

 

以上が北ローヌ(Septentrional)のご紹介でした。

ここ北ローヌは比較的ハズレのワインが無いとよく言われます。

また、ボルドーなどに比べて比較的安価で手に入りますので、是非お試しください。

 

それでは次回お会いしましょう。

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